海外の錦鯉愛好家

錦鯉の海外マーケット

上でも述べたように、最近の錦鯉需要は日本国内より海外の方が多い状態です。昨今の日本の住宅事情で広い庭や池のある一戸建て住宅が減少して、その代わりにマンション等の集合住宅が増えたことで錦鯉を自宅で飼える人が減少したことが国内需要減少の一因だと思われます。

その一方、欧米やアジアでの日本の錦鯉の需要は拡大しています。今まで日本産錦鯉の市場は欧米が中心でしたが、最近の市場は香港、中国や東南アジアの富裕層に移ってきています。錦鯉は中国では立身出世や商売繁盛の縁起のよい魚であるため、経済が急成長している中国の富裕層の間では特に人気があります。

1914年の東京で開催された「東京大正博覧会」に新潟県の旧山古志村や魚沼郡から錦鯉が出品されたことにより全国に知られた日本の錦鯉ですが、今日では日本で生産される錦鯉の約8割は海外に輸出されるまでになりました。日本で開催される品評会などに足を運び直接買い付けをする外国人バイヤーや愛好家が近年増加しています。さらに、錦鯉を生産している国は日本だけではないため、海外のバイヤーや愛好家は錦鯉を求めて世界各地の産地に足を運びますが、その中でも日本の錦鯉は人気が高く、今後更なる海外マーケットの拡大が期待できます。

外国人愛好家を増やすためには

将来、外国人の錦鯉愛好家を増やすためには、「新規」の愛好家を増やすことが必要です。今まで通り高価な日本の錦鯉を買ってくれる海外富裕層の愛好家を増やしていくことも大事ですが、一般の外国人に日本の錦鯉の素晴らしさや魅力を伝えて手軽な価格でも購入できる錦鯉やその育て方などの情報を提供し、「育てることを楽しむ」日本産錦鯉の愛好家を増やすことが必要とされます。

その方法の一つとして、錦鯉を「物」や「芸術作品」として所有する海外の愛好家を増やすと同時に、日本の錦鯉の素晴らしさや錦鯉を今以上に身近に感じることができ、育てながら楽しみを味合うことができる愛好家を増やすために情報を海外に配信していくことが大事です。

自分の予算や住宅事情にあった日本の錦鯉を買い、自分にあった育て方をしながら成長を楽しむことができる一般の「新規」海外愛好家を増やすことにより、日本の錦鯉の外国人愛好家のすそ野は広がり、同時に外国人の日本の錦鯉愛好家数の増加も期待できます。

アジアの錦鯉愛好家

一昔前まで日本産錦鯉の愛好家は欧米に多く、また、彼らは日本各地の生産地にも足を運んでいました。しかしながら、近年ではアジアの国々の富裕層が日本の品評会などに出席したり、産地に行ったりして高級な錦鯉の買い付けるようになっています。

特に、錦鯉の養魚場で競りが行われるシーズンは、アジアの国々の富裕層や愛好家に錦鯉を売るアジアのディーラも多いです。このような競りで錦鯉を落札する7〜8割は外国人であり、価格が高価な錦鯉の落札する人の多くは中国人です。

アジアの国々の中での錦鯉の購入額が多いのは香港ですが、検疫や物流システムの関係で香港経由で中国に販売されることが多いためです。近年、日本から中国へ直接錦鯉を輸出することが可能になったことにより、今後ますます錦鯉の需要は高まることでしょう。

中国だけではなく、最近ではインドネシア、台湾、マレーシア、タイやフィリピンなど東南アジアでも、富裕層の錦鯉愛好家が増えており、アジア各国への錦鯉の売上額が年々増加しています。これらの国々の愛好家は日本から錦鯉の専門家を招いた勉強会の開催や情報交換なども熱心に行っています。今後アジアへの輸出額も増え、アジアの国々で日本の錦鯉の愛好家が増えることで日本の錦鯉の認知度や人気が高まることが大いに期待できます。

米国の錦鯉愛好家

現在、米国には日本産錦鯉の愛好家が約4〜5万人いると言われています。愛好家の多くは医師、IT関連や弁護士など年収の高い職業に就いている人達が多いようです。全米各地には錦鯉の親善交流団体があり、日本の錦鯉についての勉強会、イベント、飼育方法や池の造り方などの情報提供などを行い、団体によっては図書館まで完備されているところもあります。

米国では、日本人が犬や猫をペットとして飼うことと同じ感覚で錦鯉を飼っている愛好家が多いようです。米国の愛好家の多くは、自分の飼っている錦鯉に名前を付けて、それぞれの名前で呼んだりしています。近年、米国では「Koi Garden」(鯉ガーデン)と呼ばれている錦鯉を飼育する池を自宅の庭に造る人が増加し、人気があります。この鯉ガーデンが自宅の庭にある場合、家の資産価値が20%〜30%位高く評価されることや、(スイミングプールとは異なり)固定資産税がかからないことも人気を後押ししているようです。

欧州の錦鯉愛好家

欧州ではイギリス、オランダ、ドイツ、ベルギーをはじめ、多くの国々に日本産錦鯉が輸出されています。愛好家の趣向や居住地域の環境にもよりますが、錦鯉が飼育されている池は、日本と欧州の伝統が入り混じったている池、日本の伝統的なデザインで造られた池、ビニールハウスの中に造られている池など多種多様で、年齢層も若い人から年配まで幅広く分布しています。ガーディニング雑誌等の中には錦鯉の餌の広告を掲載しているページがあることからも錦鯉の人気ぶりがうかがえます。

このように欧州で日本産錦鯉の人気がある背景としては、近年日本の錦鯉を輸出する際の直行便が多くなり、昔に比べて早く安全に輸送できるようになったことも大きいようです。これからも欧州での日本の錦鯉人気は高まり、国内外での品評会などを通して、欧州の愛好家と日本の生産者との交流が一層深くなっていくと思います。

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