錦鯉 の種類は 犬や猫 の種類のように遺伝子が固定されていないため、同種類の交配でも様々なタイプの錦鯉が生まれます。(猫の場合、アメリカンショートヘア同士からはほぼ100%の確率で親とそっくりのアメリカンショートヘアの子猫が生まれます。)
新しい種類を作出するのに錦鯉は大変改良しやすかったのではないかと推察できます。他種類にはない美しさをもち、子孫にも同系のタイプが遺伝されるまでには、大変な苦労があったことは間違いないと思いますが、遺伝子が固定されていない上、大量に稚魚が生まれますので、様々なタイプの錦鯉から新しい種類を作出できる可能性が高く、しかも数年(オスは2年ほど)で交配が可能であることが他では類を見ないほどの多種類を作り出せた要因ではないでしょうか。
錦鯉の変種
錦鯉の変種は、その色、模様、鱗の有無で見分けることができます。まず主な色彩としては、白、黒、赤、青、緑、黄色、紫およびクリーム色があります。
また、錦鯉には鱗に金属のような光沢があるものがありますが、こういったものは銀鱗・金銀鱗と呼ばれます。
また、ほとんど全ての種に対して鱗のない変種があります。日本のブリーダーはそれらをドイツゴイと呼んでおり、日本産の錦鯉とドイツ産のカガミゴイを交配することで鱗のない変種を作り出しています。
それらドイツゴイには側面に大きな鱗を持つものもおりますが、まったく鱗のないものもいます。また、バタフライコイ(1980年代に開発された、長くゆったりと垂れるひれが特徴的・俗に言うヒレ長鯉)は、実際にはアジアコイとの交配種であり、本物の錦鯉とはみなされていません。
可能な変種は限りがありませんが、ブリーダーは特定のカテゴリーで識別し命名しています。
もっともポピュラーなカテゴリーは御三家です。御三家とは、紅白、大正三色、および昭和三色の三種類のことです。
主な錦鯉の種類一覧
名前のついた主な変種は次の通り。
- 紅白:白い肌(白地)に赤い模様(緋模様)がある最もポピュラーな種類です。
- 大正三色:白い肌(白地)に赤(緋模様)と黒の斑点模様があります。
- 昭和三色:白地に赤(緋模様)と黒の墨模様があります。
- 浅黄:上面に薄青い鱗があり、下部に赤い鱗があります。
- 秋翠:浅黄とドイツ鯉を交配させて作出された種類。
- べっ甲:白、赤、黄色の肌に黒い斑点模様があります。それぞれ、べっ甲・赤べっ甲・黄べっ甲と呼ばれます。
- 写り物:黒地に赤、白、または黄色の模様があります。
- 五色:白地に浅黄地があり、その上に緋盤があります。
- 黄金:黄色無地に金属光沢がある種類です。色には赤、橙、プラチナ、黄、クリームなどもあります。
- 変わり物
- 国際錦鯉普及センター:錦鯉の種類や系統などを分かり易く説明されています。
- 川合観賞魚:一覧表で簡潔に説明されています。