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錦鯉の模様

錦鯉の模様について(御三家)

錦鯉の質模様ついて

まず模様が良いということはどういうことでしょうか?錦鯉は横からではなく、上から見る観賞魚になります。当然上から見て美しくなければいけませんので、錦鯉の頭から背中、尾止めまでの色彩のコントラストがより美しく見えるものを良しとしています。

何かを見て美しいと感じるのは、美しさの中に美しいと感じるシンメトリー(対称)を基本としたバランスの良さが重要になります。(例外もあります)

御三家の基本となるのはやはり紅白になります。「紅白に始まり、紅白に終わる」と言われるのは、「基本にはじまり、基本に返る」という本質と重なって見えます。

大正三色も昭和三色も紅白模様を基盤としており、紅白模様+墨で評価されます。

模様の基本

前述したように御三家の基本的な模様は紅白の模様が基本となります。錦鯉の背骨を中心としたバランス・頭から尾止めまでのバランスが重要です。

左右の対比も大切ですが、前後の対比も非常に重要です。

あくまで基本となりますが、紅白模様の基本をご説明させていただきます。

3段模様(基本中の基本です。)

頭の上(目のすぐ上から首の付け根)に若干大きめの丸みを帯びた緋盤を持ち(丸点)、背中に大きめの緋盤、そして尾筒に中くらいの緋盤を尾鰭から尾止めにかけて白地を見せるながら持つ。その3つの緋盤が同じ位の間隔で綺麗に白地をみせている。

4段模様
5段模様

考え方は同様です。あまり段数が多すぎても安定性に欠け、バランスを失いますので、美しさにかけてきてしまいます。(場合によっては面白い場合もあります。)3~4段が最もバランスが良く、美しい模様だと言われています。

美しい3段・4段模様の御三家になると、体型や質抜きでも大変高価になります。更に体型や質まで優秀になりますと当歳・2歳であっても・・・本当にビックリする値段になります。ですが作出には大変な経験と知識、労力・時間・経費がかかりますので仕方がありません。(本当に大変なんです。)

大正三色や昭和三色では緋盤を基本にして、更に墨模様が加わります。

大正三色の場合は、緋模様の重要度は紅白とあまり変わりないほど重要です。大正三色の墨は、小さい斑点状に出てきますので、紅白模様に黒い点模様のアクセントが入る感じになります。

昭和三色の場合は、紅白や大正三色と比べると緋模様の重要度はやや落ちます。昭和三色の墨は、大きく巻いて出てきやすく、緋模様プラス墨模様として入ってきまので、緋盤の足りない箇所を墨模様でカバーしたりすることがあるからです。(反対に良斑紋(良い緋模様を墨で潰してしまうケースも多数あります。)

・墨付では「ツボ墨」(緋に墨が重ならず、白地に出る墨)が喜ばれます。
・墨質では「ナス紺」(青みを帯びた深い黒色)が最も良しとされています。

※大正三色で言えば甚平養鯉場、昭和三色で言えば大日養鯉場や関口養鯉場の錦鯉が有名です。

模様の付き方と質との関係

御三家では模様と質とは少なからず関係があります。模様の付き方である程度質を読み取ることも可能です。

模様は紅白模様を見ます。美しい3段・4段模様であっても、緋盤の巻き(背骨から脇腹にかけての緋模様)がない鯉は、紅質が弱い個体が非常に多い傾向にあります。巻きがなく、模様付きが「ポン・ポン・ポン」とついている鯉は業界では当歳模様と呼ばれています。

※私は個人的にそういった模様付きを縦模様、巻きのしっかりもった模様を横模様と言っています。しっかりと巻きがある横模様の錦鯉は模様的には少し重い感じがしますが、大変魅力的(模様バランスが良ければ)です。

頭に丸点を持った鯉は模様だけでみれば大変魅力的ではありますが、質を考えた時は慎重になった方が良いでしょう。同じ丸点でも、頭から首の付け根・肩口まで入った模様であれば良いのですが、頭のみに独立した丸点模様の場合は注意が必要です。特別な鯉を除いては、ほとんどの場合緋質は弱く、立てには向いていません。もちろん、その個体の目的如何ではなんら問題はありません。

段模様よりも1本緋(段模様に分かれていない緋盤)に近い模様の方が質が良い傾向にあります。紅質は軽くて弱い方が段模様などになりやすく、良質なほど紅は重くて強いので、なかなか良い模様にはなれないのです。

模様も良く質も良いなんて鯉がめったにいないのは、このように模様と質とは相反する関係であることも大きいようです。

模様の悪い鯉とは

 模様が悪い鯉は、色彩のコントラストが悪く、美しくありません。模様自体の説明はきりがありませんので、悪い模様の主な特徴のみをご説明させていただきます。

上記内容があっても他に良質な部分がるならなんら問題はありません。反対に上記内容を気にしすぎると、その鯉の持つ素晴らしい資質を見逃してしまいますので、あくまで参考程度に考えて下さい。

 模様は錦鯉を評価する上で大変重要です。模様はセンスや好みも分かれますが、品評会に強い模様がやはり良いとされています。言い換えれば、良い模様をしていると品評会に強いということです。

良斑紋と質とは相反する関係にありますので、錦鯉は大きなサイズになるほど良斑紋は見かけにくくなります。あまり模様に気をとられてしまうと他の部分を見落としてしまいますので、錦鯉ビギナーの方は模様よりもまずは質を重点的に見るようにしてみて下さい。もちろん品評会などに興味のない方は、品評会向きの模様の見方は重要ではありません。むしろ、ご自身の好みの模様に拘ったほうがより楽しみも増えるかもしれません。

墨(黒模様)の質について

墨の質について、私個人的には紅と白地の後に考えても良いと思っています。御三家の中で墨が出るのは大正三色と昭和三色になりますが、墨のつき方や墨の質なども種類や系統などで異なります。

大正三色と昭和三色の墨は水温による溶存酸素濃度や水質などにも影響されますので、紅や白地の質を見て判断しいた方が無難です。

特に昭和三色は墨が環境や鯉の状態、生育状態でかなり変化をしますので、たとえ見立てた時にナベ墨でも紅・白地とも良質ならば良くなる可能性が高いと判断できます。

錦鯉の愛好家は品評会での上位入賞、大きく言えば「国魚賞」を目指していますのでどうしても良い模様に大きな価値をみてしまいます。

ですが、どんなに模様は良くても質が悪い、体型が悪いとなると品評会では通用しません。3拍子揃っている鯉というのはまずほとんど見かけられませんが、より近いバランスを持っている鯉でキラリと光る物を持っている鯉は大きな大会で上位入賞しています。

錦鯉ビギナーの人達は模様をある程度判断することはできますが質や体型を熟知していませんので模様の良い鯉に固執しやすい傾向があります。

模様に固執してしまうと、模様よりも大切と言ってもいい体型と質の良い部分を見落としてしまいますので、最初に質・体型、最後に模様の順番を念頭に置き、全体的なバランスで鯉を見れるように頑張ってみて下さい。

立て鯉の場合、見立てた時点での墨の質よりも、墨がどのようにでるかを予想できるようにセンスを磨きましょう。

また、墨際が散れているような墨よりも、やはり纏まっていて墨際のよさそうな影がある方が基本的に墨の出方は良いのですが、大きくなる系統になると綺麗に纏まった墨付を持っている個体は少なく、なかなか難しい面もあります。

また、墨質や墨付きなどは親から受け継がれる遺伝的な要素が大きいですので親の墨付や質、生産年度の違う兄弟などの墨の傾向を見たほうがいいと思います。

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